2011年08月26日
ぐり茶
「ぐり茶」
皆さんは「ぐり茶」のことを、どのくらいご存じでしょうか?
正式な名称は玉緑茶(たまりょくちゃ)と言います。
「ああ、それなら知っている」という方もいらっしゃるかも知れません。
「知らないけど、玉露(ぎょくろ)のお友達?」なんて方もいるかも知れませんね。
名前の由来はその形からきています。煎茶のように真っ直ぐに伸びていないで、少し曲がって丸まった形をしています。玉のように曲がっていることから玉緑茶と名付けられたのでしょう。
これには煎茶のように蒸して作る「蒸し製玉緑茶」と釜で炒って作る「釜炒り製玉緑茶」の2種類ありますが、釜で炒る方は一般的に「釜炒り茶」と呼ばれることが多く、玉緑茶と言えば蒸し製を指すことがほとんどです。
作り方は煎茶と途中までは同じで蒸してから熱風を当てて揉みながら乾燥させて作ります。最後の仕上げで、煎茶は精揉という工程で、真っ直ぐな針のように伸ばして乾燥させますが、玉緑茶は伸ばさずに自然に丸く乾燥させます。そのぐりっとなった形から「ぐり茶」と呼ばれます。また煎茶は伸ばして作ることから「のび茶」と呼ばれることもあります。
さて、この「ぐり茶」の由来を調べてみました。それは大正から昭和初期にかけてのお茶の輸出についてです。日本はロシア(旧ソ連)にお茶を沢山輸出していた時期がありました。元々ロシアでは中国茶(釜炒り茶)を主に輸入していましたが革命による混乱で途絶えた期間があり、その時に日本はお茶の輸出を図ったのです。しかし日本での主流の煎茶では、釜炒りの中国茶を見慣れたロシア人にはなじみにくかったようです。そこで、煎茶の形を丸くして作ったのが「蒸し製玉緑茶」というわけです。輸出は順調に続き、少しずつ輸出量を増やして行き、1935年頃には約4500トンも輸出するようになりました。そこで、このお茶に名前を付けようということになり、名称を公募しました。その結果、昭和7年に「玉緑茶」という名前が決まったのです。そしてその丸かった形状から「ぐり茶」と呼ばれるようになっていきます。古来からのお茶の歴史と比すると「ぐり茶」の誕生はとても新しいものなのです。さて、ソ連への茶の輸出は順調に進んだものの、1940年の日、独、伊三国同盟によりパタリと途絶え、その後起こった第二次世界大戦によって終わっていきます。 全国的に見ればマイナーな種類のお茶ですが、渋味が少なく、まろやかな味で今では伊豆の名産品「ぐり茶」として全国に知られています。
菊川営業所
市川製茶ホームページ http://www.guricha.jp
皆さんは「ぐり茶」のことを、どのくらいご存じでしょうか?
正式な名称は玉緑茶(たまりょくちゃ)と言います。
「ああ、それなら知っている」という方もいらっしゃるかも知れません。
「知らないけど、玉露(ぎょくろ)のお友達?」なんて方もいるかも知れませんね。
名前の由来はその形からきています。煎茶のように真っ直ぐに伸びていないで、少し曲がって丸まった形をしています。玉のように曲がっていることから玉緑茶と名付けられたのでしょう。
これには煎茶のように蒸して作る「蒸し製玉緑茶」と釜で炒って作る「釜炒り製玉緑茶」の2種類ありますが、釜で炒る方は一般的に「釜炒り茶」と呼ばれることが多く、玉緑茶と言えば蒸し製を指すことがほとんどです。
作り方は煎茶と途中までは同じで蒸してから熱風を当てて揉みながら乾燥させて作ります。最後の仕上げで、煎茶は精揉という工程で、真っ直ぐな針のように伸ばして乾燥させますが、玉緑茶は伸ばさずに自然に丸く乾燥させます。そのぐりっとなった形から「ぐり茶」と呼ばれます。また煎茶は伸ばして作ることから「のび茶」と呼ばれることもあります。
さて、この「ぐり茶」の由来を調べてみました。それは大正から昭和初期にかけてのお茶の輸出についてです。日本はロシア(旧ソ連)にお茶を沢山輸出していた時期がありました。元々ロシアでは中国茶(釜炒り茶)を主に輸入していましたが革命による混乱で途絶えた期間があり、その時に日本はお茶の輸出を図ったのです。しかし日本での主流の煎茶では、釜炒りの中国茶を見慣れたロシア人にはなじみにくかったようです。そこで、煎茶の形を丸くして作ったのが「蒸し製玉緑茶」というわけです。輸出は順調に続き、少しずつ輸出量を増やして行き、1935年頃には約4500トンも輸出するようになりました。そこで、このお茶に名前を付けようということになり、名称を公募しました。その結果、昭和7年に「玉緑茶」という名前が決まったのです。そしてその丸かった形状から「ぐり茶」と呼ばれるようになっていきます。古来からのお茶の歴史と比すると「ぐり茶」の誕生はとても新しいものなのです。さて、ソ連への茶の輸出は順調に進んだものの、1940年の日、独、伊三国同盟によりパタリと途絶え、その後起こった第二次世界大戦によって終わっていきます。 全国的に見ればマイナーな種類のお茶ですが、渋味が少なく、まろやかな味で今では伊豆の名産品「ぐり茶」として全国に知られています。
菊川営業所
市川製茶ホームページ http://www.guricha.jp
Posted by ぐり茶 市川製茶 at 11:48│Comments(3)
│菊川営業所
この記事へのコメント
日本茶とロシアとが深い関わりがあったなんて、、、大変興味深く読ませていただきました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
Posted by きものかわむら at 2011年08月26日 20:11
きものかわむら 様
コメントありがとうございます。
現代であっても輸出は大変な事ですから、
昔の人達の努力には本当に感心します。
菊川営業所
コメントありがとうございます。
現代であっても輸出は大変な事ですから、
昔の人達の努力には本当に感心します。
菊川営業所
Posted by ぐり茶 市川製茶 at 2011年08月27日 00:41
ロシアにもお茶を輸出していたなんて、驚きです。
でも、地理的には近いんですよね。
勉強になります。
でも、地理的には近いんですよね。
勉強になります。
Posted by たまかずら at 2011年08月27日 17:26
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